「30代後半オカンひとり旅」は、ホームである滋賀県を基点に毎月1都道府県を旅し、40歳までに47都道府県制覇を目指すライフイベントである。仕事や家庭がある中、あえて一人旅をすることを楽しむ。2025年6月からスタートし、この度第7都道府県目をクリア。
2025年12月、第7都道府県目は兵庫県だ。
11月の旅を月初にしてしまったので、なんとひと月半ぶりのひとり旅となった。それまでは月末に行き先を決め、宿泊先を探し、追われるような旅だったのが、今回は「まだかまだか」と待ち遠しいものに変わっていた。
予定を固めないことをよしとして過ごしてきた人生だけれども、予定を組むことの利点もあるのかもしれないなんて思う36歳の冬である。
兵庫県は身近な都道府県だ。岡山出身の私には物心ついた頃からお隣の県だし、大学で京都に出てきてからも実家へ帰る長距離バス(当時学生だと2500円ほどで帰れた)でいつも権現湖(ごんげんこと読む)に寄るし、滋賀に嫁いで長女を産んでからは、何度、神戸アンパンマンミュージアムに訪れたことだろう。
仕事でも、特に神戸・三ノ宮・元町付近にはよくお邪魔する。
さあいつもの私なら、普段足を運ばないような北へ向かいそうなものだけれども、今回は神戸を選んだ。城崎温泉とか有馬温泉とか、温泉というところにも季節的にそそられたが、それよりも魅力的なものが神戸で私を待っていたのである。
“ホテルケーニヒスクローネ”、三ノ宮を訪れるたびにクラシカルカワイイが眩しいその外観を見ては、いつか泊まりたい……と心奪われていたホテルだ。ケーニヒスクローネは洋菓子屋さんで、キャラクターはカバではなくてクマ。
子どもを産んですぐの頃、母がよくここの“はちみつアルテナ”を送ってくれた。栗が入ったチョコレートケーキで、電子レンジで少しあたためるとチョコレートが溶けて幸せの味がする。これのおかげかどうかはわからないけれども、私の最初の子育ては、実はしんどかった記憶がほとんどない。
そんな洋菓子屋さんのホテル。朝のブッフェもこれまた魅力的で、ひとり旅で兵庫県を訪れるなら宿泊先は絶対にココ!と決めていたのだ。
もう一つの楽しみは、『大ゴッホ展』である。ホテルケーニヒスクローネから徒歩10分の場所にある神戸市立博物館がその会場だ。憧れのホテルで優雅にモーニングを食べ、ゴッホ展をゆっくり鑑賞し帰る……夢のようなプランを自ら組んでしまったわけである。
私は朝の1時間半もの間、ケーキと生ハム・ティラミスとオムレツ・シフォンケーキとビーフシチュー、あまからあまからの口を行ったり来たりしながら、この旅の完全勝利をぐふふと想像していた。それにしてもよく食べた。大満足。
さて、察しの良い読者ならお気づきだろう。
私の想像は、大体、打ち砕かれる……

