「30代後半オカンひとり旅」は、ホームである滋賀県を基点に毎月1都道府県を旅し、40歳までに47都道府県制覇を目指すライフイベントである。仕事や家庭がある中、あえて一人旅をすることを楽しむ。2025年6月からスタートし、この度第5都道府県目をクリア。
順調に第5都道府県目。2025年10月のひとり旅先は、富山県である。第4都道府県目である石川県と同じ北陸地方。京都からサンダーバードに乗り、敦賀で北陸新幹線つるぎに乗り換えるというほぼ同ルート。乗り物音痴も慣れたもの。
富山県といえば、立山の雪壁や黒部ダム……色々と聞いたことがある名所はあるが、今回の旅でそれらには一切訪れない。聞き慣れない町「高岡市」のみを巡る、1泊2日の旅である。
高岡に何があるのか。私はわからないまま旅立った。
高岡では、数年前から地方の工芸品を集めたクラフトフェア「ツギノテ」というイベントを開催している。工芸品と聞くと優雅で崇高なイメージがあるかもしれない。年齢層高めの方が数万円、数十万円の品を探しにくるような……違った。
開場と同時に並んでいた子どもたちが我先にとお目当てのワークショップに向かって走り出すようなイベントだった。ビビッドなオレンジがイベントのキーカラー。足場に使われる単管でつくられた武骨なブース。謎に本格的な鬼のメイクをしたスタッフさん。思った以上にポップなそれらの景色は、子どもだけでなく大人もわくわくさせる。
私はそんな「ツギノテ」に出店するために高岡に向かっていた。イベント出店と絡めて、ひとり旅してしまえばいいという魂胆である。
実は、今回の旅について「ひとりの時間」というものは、往復の電車やホテルでの就寝を除いて1時間もなかったように思う。それだけ、人にお世話になり、人に関わってもらった旅だった。
本当のひとりだと訪れることのなかった場所、出会うことのなかった人ばかりだったと、今思い返してもそんなことを実感する。第4都道府県目の石川県とは全く違う。それぞれの良さがある。こんないろんな形の「ひとり旅」を経験できて、私はつくづく幸せ者だなと思う。
出会った人は20人、訪問させてもらった会社は5社。
私の世界がまた広がる。
訪問させてもらった会社というのは、……

